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ころがし

読み方
ころがし

ころがしとは

ころがしとは、イベント運営業界における音響用語で、ステージ上のパフォーマーに対して自身の音や他のパフォーマーの音を聞き取れるようにするためのステージモニターを指します。

特に生演奏やショーにおいて、ステージ上での自己モニタリングの重要性は非常に高く、パフォーマンスの質を大きく左右する要素となります。

この「ころがし」は、主にスピーカーを床に置き、パフォーマーが常に受け取りたい音の方向に向けることで効果を発揮します。

ころがしの役割

ころがしの主な役割は、「ステージ上の音をパフォーマー自身が正確に聞き取れるようにすること」です。

これは、特に大規模なイベントやライブコンサートにおいて重要な役割を果たします。ライブ会場では、観客向けのPA(パブリックアドレス)システムがメインの音響設備となりますが、ステージ上でパフォーマーが演奏や歌唱を行う際には、PAシステムの音が届きにくいことがあります。このため、ころがしモニターはパフォーマーが自身の音を確認しやすくするための重要な装置となります。

一般的には、ボーカリストが自分の声をモニターしやすいように調整されることが多いですが、バンド全体のバランスを考慮して複数のころがしモニターが配置されることもあります。これにより、各メンバーが互いに自分の演奏や歌を正確に聞き取ることができ、調和のとれたパフォーマンスが可能となります。

会話内における用語の使い方

ころがしという用語は、イベント運営や音響技術者、ミュージシャンの間で日常的に使用される言葉です。ここでは、実際の会話例を挙げながらその使い方を解説します。

ミーティングでの使用例

例えば、ライブ前のステージ設営やサウンドチェックの打ち合わせにおいて、以下のような会話が交わされることがあります。

音響技術者A:「今日はボーカリストのころがしを少し大きめに設定しよう。前回のライブで自分の声が聞こえにくかったってフィードバックがあったからね。」

バンドメンバーB:「了解です。ドラムの位置からも他のメンバーの演奏がよく聞こえるように、ころがしの角度を少し調整してもらえますか?」

このように、「ころがし」は音響設定やステージ設営時の重要な要素として扱われ、具体的な調整内容に関する会話の中で頻繁に出てきます。

トレーニングシーンでの使用例

また、新人音響技術者のトレーニングシーンでも「ころがし」は必須用語として登場します。

指導者:「ころがしモニターの設置位置と角度に注意しながらセッティングしてみよう。パフォーマー全員がそれぞれの音を聞き取れるように調整することが大切だよ。」

新人技術者:「はい、分かりました。具体的にはどのように調整すればベストですか?」

指導者:「まず、メインボーカルが立つ位置を中心に、その他の楽器の音がバランス良く聞こえるようにスピーカーの向きを決めるんだ。」

このように、トレーニングの中で具体的なセッティング方法や注意点を学びながら、「ころがし」の役割と特性を理解していきます。

ころがしの設定手順と注意点

ころがしの設定は、イベントの成功を左右する重要な工程です。ここでは、ころがしモニターの設置手順と、注意すべきポイントについて具体的に説明します。

設置手順

  1. ステージプランの確認:設置前にステージ全体のプランを確認します。どこにどのパフォーマーが配置されるかを把握することが重要です。
  2. モニターの配置:各パフォーマーの足元にモニタースピーカー(ころがし)を配置します。基本的には、パフォーマーが立つ位置から音が聞こえやすい角度にスピーカーを設置します。
  3. 接続とテスト:スピーカーを音響システムに接続し、テスト音を出して動作確認を行います。パフォーマーとコミュニケーションを取りながら、音量や音質を調整します。
  4. 細かい調整:リハーサル中にパフォーマーからのフィードバックを受けて、さらに細かい調整を行います。複数のころがしを効果的に使うことで、ステージ上のどの位置でも最適な音が聞こえるようにします。

注意点

  • 音量バランス:過剰な音量はパフォーマーの耳を傷つける可能性があるため、適切な音量設定が必要です。
  • フィードバックの回避:スピーカーがマイクに近すぎるとハウリング(フィードバック)が発生しやすくなります。これを避けるための配置を考慮します。
  • ゾーン別の調整:大規模なステージではゾーンごとに音のバランスが異なるため、各ゾーンごとに適切な設定を行う必要があります。

最新の技術ところがしの進化

ころがしモニターも、技術進化と共にその機能が大きく向上しています。特にワイヤレスシステムやインイヤーモニターの普及により、ステージ上の自由度と音質が大幅に向上しています。

ワイヤレスシステムの導入

近年、多くのプロフェッショナルイベントではワイヤレスシステムが導入され、ころがしモニターの設置がより簡便になっています。これにより、パフォーマーはステージ上を自由に動き回りながらも、自身の音をしっかりとモニターすることが可能です。

インイヤーモニターの普及

インイヤーモニター(IEM)は、耳に装着する小型のモニターデバイスで、パフォーマーが自身の音を直接耳元で確認できるため、ころがしの設置が不要となるケースも増えています。これにより、ステージの見た目がすっきりし、フィードバックのリスクも大幅に減少します。

未来のころがし

将来的には、AI技術を活用して自動的に最適な音量と音質を調整する「スマートころがし」システムの登場が期待されています。これにより、音響技術者の負担が軽減され、さらに高品質な音響環境が提供されることになるでしょう。

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