「イベント運営って面白そうだけど、どんな仕事なんだろう?」
「イベント業界で働きたいけど、どうやってキャリアを積んでいけばいいんだろう?」
こんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。イベント運営の世界は、華やかで魅力的に見えるけれど、実際どんな仕事があって、どんなスキルが必要なのか、具体的にイメージできない方も多いはずです。
そんな方におすすめなのが、イベントスタッフとしての経験を積むことです。でも、どこから始めればいいの?どんな会社を選べばいいの?と悩んでしまいますよね。
実は、イベント運営の世界に飛び込むのは、思ったほど難しくありません。適切な会社を選び、一歩を踏み出すだけで、あなたの可能性は大きく広がるでしょう。
そこで今回の記事では、イベント運営業界の全体像から、主要な職種、そしてキャリアアップの戦略まで、詳しく解説していきます。イベントプランナーやプロデューサーになるための道筋、必要なスキルや資格、さらには業界での成功の秘訣まで、あなたのキャリアプランに役立つ情報が満載です。
この記事を読んで、あなたのキャリアプランの方向性を探っていきましょう。
イベント運営業界の全体像
イベント運営業界は、多岐にわたる業種が連携して成り立つ、ダイナミックな分野です。私たち業界のプロが日々奮闘している裏側を、皆さんにお伝えしたいと思います。
イベント運営業界は、単なる「お祭り」や「パーティー」の企画・実行にとどまりません。企業の製品発表会、音楽フェスティバル、スポーツ大会、学会やカンファレンス、さらには国際的な展示会まで、実に幅広い領域をカバーしています。これらのイベントを通じて、私たちは人々に感動や学びの機会を提供し、ビジネスの成長や文化の発展に貢献しているのです。
イベント運営に関わる主な業種
イベント運営業界は、様々な専門業種が有機的に結びついて機能しています。主な業種を見ていきましょう。
1. イベント企画・制作会社
イベントの企画から実施までを一貫して担当する会社です。クライアントの要望を形にし、イベント全体をコーディネートします。例えば、電通ライブは、大規模な国際会議から企業の周年記念イベントまで、幅広いイベントを手がけています。
2. 広告代理店
大規模なイベントや企業のプロモーションイベントなどを企画・運営することが多いです。博報堂プロダクツは、広告制作だけでなく、イベントの企画・運営も行っており、クリエイティブな視点からイベントを作り上げています。
3. 人材派遣会社
イベント当日の運営スタッフを派遣します。受付、案内、警備など、様々な役割のスタッフを提供します。
弊社アシスト・ジャパンも、イベントスタッフの派遣を得意としています。チーフ・ディレクター・ディレクターAなどマネジメントレイヤーのスタッフも派遣可能ですので、まるっと依頼されたい方はお気軽にご相談ください。
4. 会場設営会社
ステージや展示ブースの設営、音響・照明機器の設置などを担当します。乃村工藝社は、展示会や博物館の空間デザインから設営まで手がける大手企業です。
5. 映像・音響制作会社
イベントで使用する映像コンテンツの制作や、音響システムの構築を行います。ヤマハミュージックジャパンは、コンサートやイベントの音響システムを提供しています。
6. ケータリング会社
イベントでの飲食提供を担当します。パーティーや展示会での軽食提供など、幅広く対応します。
7. 警備会社
大規模イベントでの警備や交通整理を担当します。参加者の安全確保に重要な役割を果たします。
8. 運輸・物流会社
イベントで使用する機材や商品の運搬を担当します。
これらの業種が緊密に連携することで、一つのイベントが成立します。例えば、東京ゲームショウのような大規模イベントでは、イベント企画会社が全体のコンセプトを立案し、広告代理店がプロモーションを担当、会場設営会社がブースを組み立て、映像・音響会社が最高の体験環境を整え、人材派遣会社が運営スタッフを派遣し、警備会社が会場の安全を確保する、といった具合です。
イベント運営業界の市場動向
イベント運営業界の市場規模は、2019年時点で約17兆4,890億円でしたが、2020年には8兆6,649億円に縮小しました。
(参考)「2019年イベント消費規模推計報告書」および「2020年イベント消費規模推計報告書」|日本イベント産業振興協会(JACE)
その中で、業界は急速にデジタル化を進め、オンラインイベントやハイブリッドイベント(オンラインとオフラインの併用)の需要が急増しました。2020年に開催された「東京ゲームショウ」は完全オンライン形式で実施され、総視聴数は約3,150万回を記録しました。
現在、対面イベントの需要が徐々に回復する一方で、オンラインやハイブリッド形式のイベントも定着しつつあります。この傾向は今後も続くと予想され、イベント運営業界はより多様化・高度化していくでしょう。
さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも業界の大きなトレンドとなっています。環境に配慮したイベント運営や、社会課題解決につながるイベントの企画・実施が増加しています。例えば、日本最大級の環境展示会「エコプロ」では、使い捨てプラスチックの削減や、再生可能エネルギーの活用など、環境に配慮したイベント運営が実践されています。
また、テクノロジーの進化により、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用したイベントも増加しています。「バーチャルマーケット」は、VR空間内で行われる世界最大級のイベントとして世界的にも注目を集めています。
イベント運営業界は、これらの変化に柔軟に対応しながら、常に新しい価値を創造し続けています。次のセクションでは、具体的な業種別のイベント運営の特徴と事例を見ていきましょう。それぞれの業種がどのようにイベントを作り上げ、どんな課題に直面しているのか、実際の現場の声を交えてお伝えします。
【業界別】イベント運営の特徴と事例
イベント運営の世界は、業界によって大きく異なる特徴を持っています。私たちイベントのプロが日々奮闘している現場では、それぞれの業種に応じた独自のアプローチが求められます。ここでは、主要な3つの業界におけるイベント運営の特徴と、実際の成功事例を紹介していきましょう。
①企業イベントの運営特性
企業イベントは、製品発表会、展示会、セミナー、社内イベントなど多岐にわたります。これらのイベントの主な目的は、ブランド認知度の向上、商品・サービスのプロモーション、顧客との関係強化、社員のモチベーション向上などです。
企業イベントの特徴
- 明確な目的と成果指標(KPI)の設定
- ブランドイメージの一貫性の維持
- 参加者データの収集と活用
- コンプライアンスへの厳格な対応
- 予算管理の重要性
企業イベントを成功させるためのポイントは、参加者に「価値ある体験」を提供することです。単なる情報提供にとどまらず、参加者が「参加して良かった」と思えるような工夫が必要です。
例えば、最近注目を集めているのが「ハイブリッドイベント」です。オンラインとオフラインを組み合わせることで、より多くの参加者にリーチしつつ、それぞれの良さを活かしたイベント運営が可能になります。
事例:Salesforceの「Dreamforce」
Salesforceが毎年開催する「Dreamforce」は、企業イベントの成功例として有名です。2021年の開催では、パンデミック下での新しいイベント形式を示す重要な事例となりました。オンサイト参加者約500人、オンライン視聴者約500万人を集め、グローバルな規模で影響力のあるイベントとなりました。
特徴的な点:
- Salesforce CEOのMarc Benioffをはじめ、Will SmithやJane Fondaなどの著名人や業界リーダーによる基調講演
- 100時間以上のオリジナルコンテンツを含むセッションやワークショップの提供
- 参加者同士のネットワーキング機会の創出
- 新しいストリーミングプラットフォーム「Salesforce+」の導入によるグローバルな視聴者へのリーチ拡大
- パンデミック下での安全な開催を実現するための厳格な健康・安全対策の実施
Dreamforceの成功の鍵は、単なる製品紹介にとどまらず、業界全体のトレンドや未来像を提示し、参加者に「学び」と「つながり」の場を提供していることです。さらに、パンデミックによる制約を逆手に取り、デジタル技術を活用して従来以上に幅広い参加者にリーチすることに成功しました。
この事例は、困難な状況下でも創意工夫によって効果的なイベントを実施できることを示しており、今後の企業イベントの在り方に大きな影響を与えたといえるでしょう。
②エンターテインメントイベントの運営特性
エンターテインメントイベントには、音楽コンサート、演劇公演、映画祭、アニメ・ゲームの展示会などが含まれます。これらのイベントの主な目的は、観客に楽しさや感動を提供し、文化的な体験を創出することです。
エンターテインメントイベントの特徴
- 創造性と芸術性の重視
- 観客の期待に応える演出
- チケット販売戦略の重要性
- アーティストやパフォーマーとの緊密な連携
- ファンエンゲージメントの促進
- 安全管理と緊急時対応の徹底
エンターテインメントイベントでは、「非日常的な体験」を提供することが重要です。そのためには、音響や照明、舞台装置など、技術面での充実が欠かせません。また、SNSなどを活用したファンとの双方向コミュニケーションも、イベントの成功に大きく影響を与えます。
事例:「SUMMER SONIC」
日本の夏の風物詩となっている音楽フェスティバル「SUMMER SONIC」は、エンターテインメントイベントの成功例です。
特徴的な点:
- 東京(千葉県)と大阪の2箇所での同時開催
- 毎年8月上旬から中旬の土曜・日曜の2日間で開催
- 国内外の人気アーティストの出演
- 千葉マリンスタジアム、幕張メッセ、幕張海浜公園内のビーチを使用した複数のステージによる同時進行型のプログラム
- 2010年代では2日間で約12万~13万人の動員数
- フードやアート、ファッションなど音楽以外のコンテンツも充実
- 公式アプリを活用した情報提供
SUMMER SONICの成功の秘訣は、音楽だけでなく「総合的な体験」を提供していることです。また、幅広い年齢層の観客を惹きつける多様なコンテンツ構成も特徴的です。
③スポーツイベントの運営特性
スポーツイベントには、プロスポーツの試合、マラソン大会、オリンピックなどの国際大会が含まれます。これらのイベントの主な目的は、競技の魅力を伝え、観客を熱狂させること、そしてスポーツの普及・発展に寄与することです。
スポーツイベントの特徴
- 安全管理の徹底
- 公平性の確保
- メディア対応の重要性
- スポンサーシップの活用
- 地域社会との連携
- 観客の参加意識の向上
スポーツイベントでは、「臨場感」と「一体感」を演出することが重要です。そのためには、大型ビジョンやスマートフォンアプリなどのテクノロジーを活用し、観客の体験を向上させる工夫が必要です。
事例:「東京マラソン」
東京マラソンは、一般ランナーとエリートランナーが同じコースを走る世界有数の都市型マラソン大会です。
特徴的な点:
- 抽選制による参加者選考(2023年大会は27,310人が参加)
- 東京都23区内を走るコース設定と沿道の応援文化
- チャリティプログラムの実施(2023年大会は5億6,122万9,501円の寄付金を集めた)
- 最新技術を活用した記録計測システム
- ランナーと観客の安全を考慮した綿密な運営計画
- バーチャルマラソンの併催(2021年、2022年、2023年)
東京マラソンの成功の鍵は、「参加型」のイベントであることです。ランナーだけでなく、沿道の応援者や、チャリティを通じた社会貢献など、多くの人が関わることができるイベントとなっています。また、バーチャルマラソンの開催により、より多くの人々が参加できる機会を提供しています。
これらの事例から分かるように、イベント運営は業種によって大きく異なる特性を持っています。しかし、共通して言えるのは、参加者に「価値ある体験」を提供することが成功の鍵となるということです。
次のセクションでは、これらのイベントを支える主要な職種について詳しく見ていきましょう。イベントの成功には、それぞれの専門性を持つスタッフたちの連携が欠かせません。
イベント運営に関わる5つの主要職種
イベント運営の世界は、多くの専門家たちの協力によって成り立っています。私たちイベントのプロが日々奮闘している現場では、それぞれの職種が独自の役割を果たしながら、一つのイベントを作り上げていきます。ここでは、イベント運営に欠かせない5つの主要職種について、その役割や必要なスキル、キャリアパスなどを詳しく解説していきます。
①イベントプランナー
イベントプランナーは、「イベントの企画立案を行う人」です。クライアントの要望を聞き取り、それを具体的なイベント案に落とし込む能力が求められます。
主な業務
- クライアントとの打ち合わせ
- イベントコンセプトの立案
- 予算管理
- スケジュール管理
- 関係各所との調整
必要なスキル
- 創造力と企画力
- コミュニケーション能力
- マーケティング知識
- プロジェクトマネジメント能力
キャリアパス
一般的に、イベント会社での実務経験を積んだ後、イベントプランナーとしてキャリアをスタートさせます。経験を積むにつれて、より大規模なイベントや重要なクライアントを担当するようになります。さらにキャリアを積むと、イベントプロデューサーへと昇進する可能性があります。
※ただし、具体的なキャリアパスは個人や会社によって異なる場合があります。
実例として、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開会式・閉会式の企画には、電通を含む複数の広告代理店、舞台制作会社、クリエイティブディレクターなど、多くの企業や専門家が関与しました。組織委員会が設立した「式典委員会」が全体を統括し、様々な分野の専門家が協力して企画を進めました。この大規模なイベントでは、日本の文化や技術を世界に発信するという壮大なミッションのもと、伝統と革新を融合させた様々なアイデアが盛り込まれました。
イベントプランナーとして、イベント運営・企画を成功させるポイントを知りたい方は、こちらも合わせてご確認ください。
②イベントプロデューサー
イベントプロデューサーは、「イベントの企画から実施までを統括する人」です。イベント全体の統括責任者として、企画から実施、評価まで、すべての過程に関与し、イベントの成功に対して最終的な責任を負います。
主な業務
- イベント全体の統括
- 予算の最終決定
- スポンサー獲得
- リスクマネジメント
- チーム全体の指揮
必要なスキル
- リーダーシップ
- 戦略的思考力
- 交渉力
- 危機管理能力
- 業界の幅広い人脈
キャリアパス
多くの場合、イベントプランナーやイベントディレクターとしての経験を積んだ後、イベントプロデューサーに昇進します。大規模なイベントや重要なプロジェクトを成功に導いた実績が評価され、この職位に就くことが多いです。ただし、具体的なキャリアパスは個人や会社によって異なる場合があります。
実例として、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、ロッキング・オン社が主催する日本最大級の野外音楽イベントとして知られており、多くのアーティストと観客を集めています。
③イベントディレクター
イベントディレクターは、イベント当日の進行を指揮する役割を担います。事前に立てられた計画に基づき、スタッフを適切に配置し、イベントがスムーズに進行するよう管理します。
主な業務
- イベント当日の進行管理
- スタッフへの指示出し
- 突発的な問題への対応
- タイムスケジュール管理
- 出演者や関係者との調整
必要なスキル
- 臨機応変な対応力
- 強いリーダーシップ
- 冷静な判断力
- 優れたコミュニケーション能力
- 細部への注意力
キャリアパス
多くの場合、イベントスタッフとしての経験を積んだ後、アシスタントディレクターを経てイベントディレクターになります。ただし、個人の能力や経験によっては、異なるキャリアパスを辿ることもあります。さらにキャリアを積むと、イベントプロデューサーへの道が開けることもあります。
実例として、クリエイティブマンプロダクションが主催する「SUMMER SONIC」があります。このフェスティバルでは複数のステージで同時に多くのアーティストが出演するため、緻密なスケジュール管理と臨機応変な対応が求められます。
④イベントスタッフ
イベントスタッフは、イベント当日の実務を担当します。来場者の案内や受付、会場の設営や撤去、物品の管理など、イベントの円滑な運営を支える重要な役割を果たします。
主な業務
- 来場者の案内・受付
- 会場の設営・撤去
- 物品の管理・配布
- 安全管理
- 清掃・ゴミ処理
必要なスキル
- ホスピタリティ精神
- チームワーク
- 体力・持久力
- 臨機応変な対応力
- 基本的なビジネスマナー
キャリアパス
イベントスタッフは、多くの人がイベント業界でキャリアをスタートさせる入口となります。経験を積むにつれて、より責任ある役割を任されるようになり、最終的にはチームリーダーやアシスタント・ディレクター、ディレクターとして役割を担うこともあります。また、更なるキャリアアップとして、進行アシスタントや進行ディレクター、さらにはイベントプランナーへの道も開いています。
実例として、大規模な音楽フェスティバルでは、多数のイベントスタッフが会場設営、チケットもぎり、来場者の誘導、物販、安全管理など、様々な役割を担当します。これらのスタッフの連携によって、数万人規模の来場者を迎える大規模イベントの円滑な運営が可能となります。
⑤テクニカルスタッフ
テクニカルスタッフは、イベントの技術面を支える専門家です。音響、照明、映像など機器の設置や操作を担当し、イベント演出や雰囲気づくりに大きく貢献します。
主な業務
- 音響機器の設置・操作
- 照明機器の設置・操作
- 映像機器の設置・操作
- 特殊効果演出(例:花火やレーザーショー)
- 機材メンテナンス
必要なスキル
- 専門的技術知識(音響学や照明技術)
- 機器操作スキル(ミキサーや照明卓)
- 安全管理能力(危険物取り扱いや電気工事)
- チームワークとコミュニケーション能力
- 問題解決能力と臨機応変な対応力
キャリアパス
多くの場合、専門学校や大学で関連技術を学ぶか、または現場での経験を通じてスキルを磨きます。そして、舞台制作会社や音響照明会社に就職し、経験を積むことが一般的です。経験豊富になるにつれて、大規模なコンサートやフェスティバルで技術監督として活動することも可能です。また、イベント技術の進化に伴い、常に新しい技術やトレンドを学び続けることも重要です。
実例として、「NAKED FLOWERS」ではNAKED, INC.が手がけるプロジェクションマッピングや特殊照明技術によって幻想的空間が創出されています。東京会場では、最新のプロジェクションマッピング技術と光の演出により、花々や自然の美しさを表現し、来場者に没入感のある体験を提供しました。このようにテクニカルスタッフは、最新技術を駆使して視覚的体験の向上に直接的に貢献をしているのです。
これら5つの職種は、それぞれ異なる専門性を持ちながらも密接に連携しており、一つ一つが成功したイベントには欠かせない存在です。それぞれが持つ役割と責任感によって、多様性と創造性あふれる素晴らしい体験が生まれることになります。このような協力体制こそが素晴らしいイベント作りには不可欠です。
イベント運営業界で長期的にキャリアを積むためには、常に新しいスキルを身につけ続けることが重要です。次のセクションでは、イベント運営業界でのキャリアアップ戦略について解説します。
イベント運営業界でのキャリアアップ戦略
イベント運営業界は、常に変化し続ける業界です。新しい技術やトレンドが次々と登場し、お客様のニーズも日々変化しています。そんな中で、キャリアアップを目指すには、継続的な学習と経験の蓄積が欠かせません。ここでは、イベント運営のプロとして、業界でのキャリアアップ戦略について詳しく解説していきます。
イベント業界で役立つ資格3選
イベント業界では、特定の資格が必須というわけではありませんが、専門的な知識やスキルを証明する資格を取得することで、自身の市場価値を高めることができます。ここでは、イベント業界で特に役立つ資格を紹介します。
- イベント業務管理士
一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)が認定する資格です。イベントの企画・制作・運営に関する総合的な知識を習得していることを証明します。この資格には2級と1級があり、2級は実務経験3年以上、1級は実務経験5年以上かつ2級取得が条件となっています。
取得方法:2級は年2回(7月と11月)、1級は年1回(2月)試験が実施されます。2級はマークシート方式で100問、1級は小論文と記述式5問で出題されます。 - PRプランナー
PR活動の企画や営業の実施に関して実践的な能力と基本的な知識を持っている人に対して、民間団体から認定される資格です。 - イベント検定
多種多様なイベントの計画や実施、運営といったプロセスを適切に行うための基礎から応用に至る知識を持っているかどうかを判定する試験です。イベントプランナーの育成を目指して作られた検定試験で、仕事をする上で重要なノウハウを身につけるのに適しています。
これらの資格は、それぞれ異なる側面からイベント運営のスキルを証明するものです。自分のキャリアプランに合わせて、適切な資格を選択し取得することをおすすめします。資格取得のための勉強で得た知識は実践的なものが多く、現場での業務に活用できます。また、資格を取得することで、クライアントからの信頼を得やすくなり、営業活動にも有利に働く可能性があります。
スキルアップのためのおすすめ研修・セミナー
資格取得と並んで重要なのが、実践的なスキルを磨くための研修やセミナーへの参加です。イベント業界では、技術の進歩や社会のトレンドに合わせて、常に新しいスキルが求められます。ここでは、特におすすめの研修やセミナーをいくつか紹介します。
- 日本イベント産業振興協会(JACE)主催のセミナー
JACEが主催する各種セミナーは、イベントの企画から運営まで、幅広いテーマで開催されています。特に、「イベント業務管理士」の資格取得を目指す方向けの講座は、実践的な内容で評価が高いです。
例:「JEVA イベントリスクマネジャー養成セミナー」では、イベント開催時の様々なリスクとその対策について学ぶことができます。 - イベント検定対策講座
JACEが提供するイベント検定は、イベント業界での基礎知識を証明する資格です。この検定に向けた対策講座では、イベントの基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。 - JACE WEBINAR
JACEが会員限定で提供するウェビナーでは、イベント業界の最新トレンドや課題について学ぶことができます。 - イベント研究発表会
JEVAが主催する「イベント研究発表会」では、イベント業界の最新の研究成果や事例について学ぶことができます。
これらの研修やセミナーに参加することで、最新のトレンドや技術を学ぶだけでなく、業界内のネットワークが広がる可能性もあります。
キャリアアップを目指す上で重要なのは、これらの資格取得や研修参加を単発で終わらせないことです。イベント業界は常に変化しているため、継続的な学習が不可欠です。定期的に新しい知識やスキルを吸収し、実際のイベント運営に活かしていくことが、長期的なキャリアアップにつながります。
また、自身の専門性を高めることも重要です。例えば、テクニカルスタッフならば最新の音響・照明技術に精通する、イベントプランナーならばマーケティングやブランディングの知識を深めるなど、自分の強みを明確にしていくことで、業界内での価値を高めることができます。
さらに、日本イベント業務管理士協会(JEDIS)のような職能団体に参加することで、資格取得後の更なるイベント知識の向上、定期的な知識のメンテナンス、業界動向の把握、異業種交流、人脈形成などの機会を得ることができます。これらの活動を通じて、継続的なスキルアップとキャリア発展を図ることが可能です。
イベント運営業界でのキャリアアップは、決して一朝一夕には成し遂げられません。しかし、継続的な学習と経験の蓄積、そして自身の強みの確立を通じて、着実にキャリアを積み上げていくことができます。
まとめ
イベント運営業界は、多様な職種と専門性が融合する魅力的な分野です。本記事では、業界の全体像から具体的な職種、そしてキャリアアップ戦略まで幅広く解説してきました。
イベントプランナー、プロデューサー、ディレクター、スタッフ、テクニカルスタッフなど、それぞれの役割が有機的に結びつくことで、一つのイベントが成功に導かれます。
キャリアアップを目指す方には、資格取得や継続的な研修参加が有効です。イベント業務管理士や展示会業務管理士などの資格は、専門性を証明する強力なツールとなります。また、デジタルイベントやSDGsなど、最新のトレンドに関する知識を積極的に吸収することも大切です。
イベント運営業界でのキャリアをスタートさせたい方や、さらなるステップアップを考えている方にとって、弊社アシスト・ジャパンのようなイベントスタッフ派遣サービスはおすすめです。イベントスタッフとして様々な現場を経験することで、業界の実態を肌で感じ、自身のスキルを磨くことができます。
さらに、アシスト・ジャパンでは単なる人材派遣だけでなく、イベント運営の一部を請け負う業務委託サービスも行っています。これは、より高度な責任とスキルが求められる業務であり、キャリアアップを目指す方にとって絶好の機会となるでしょう。
イベント運営業界は、人々に感動と驚きを届ける魅力的な仕事です。この記事を通じて、皆さんがイベント運営の世界に興味を持ち、新たなキャリアの可能性を見出すきっかけになれば幸いです。